『栄光の華~Gloriosa~』
初めて私があの方を遠くから拝見した時、
見上げることも出来ぬくらいに輝く華のようで、
それはそれは神々しいお姿でいらっしゃいました。
(・・・幼かった私は、ただただ、
自分が将来その方の手足となるだろう日が待ち遠しかった。)
初めてあの方の前で忠誠を誓ったとき、
相変わらずの神々しさを背負われたまま、なおも
恐れ入ったままの私を、一人の「仲間」としてみてくださいました。
(・・・辛い刑軍での日々も、ずっと、
こんな日々が続くならずっとここにいたいと思っていた。)
本来ならば使い捨ての存在。
手足たる存在は、山のようにいるのが、この集団。
それでもなお、私はあなたの「仲間」でいられることが何よりも嬉しかったのです。
(・・・これから先も、あなたのそばで、
ずっと付き従っていられるようにと望んでいた。)
けれどあなたは行ってしまわれました。
相変わらずの栄光の残像を私に焼き付けたまま、
本当の理由も何も告げることなく・・・私を残して。
(・・・こんなことであれば、まだ、
単に「手足」として使われ、死んでゆくほうが良かった・・・のだろうか?)
それでも何時如何なる時も、
今までも今もこれから先も、
真相を知っても知らなくても何があろうとも、あなたは、
・・・私を焦がす炎の化身、栄光の華。
その傍で私は、ただ、軽やかに飛び回り戯れていたいのです。
栄光の華・・・グロリオサは、私の実家の庭に植えっぱなしになっています。
毎年「もう今年は球根も凍り付いてだめかな?」と思うのですが、年々巨大化して大量の花を咲かせます。
それは真っ赤な炎というか、赤い蝶というか・・・。
最近は切花でも、赤だけでなくオレンジや黄色のグロリオサを見かけますね。
・・・今年は、掘り起こすべきか・・・なぜなら、1つのグロリオサから2つの球根ができるのです。
ずっと植えっぱなしにしていると・・・ずっと×2で増殖していくので・・・
あの庭がグロリオサだらけになる!!
誰か、うちのグロリオサをもらってもらえませんかね・・・?ええ、本気で。
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