竜胆
※兄様が結構重度のシスコン化してます。
 ちょっとだけ、ご注意を!!!
 凛々しくて麗しい兄様を好む方は、あまりご覧にならないほうがいいです!!!
 ・・・それでもOK、と言う方は、どうぞ。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

 

 

『思い草 ~お前はこれから・・・~ 』

―・・・その花は?
―・・・思い草、だそうです。昔、どこかで聞きました。
 
どこで聞いたのだろうか。
通常であれば尾花の株下に咲く薄紅の花を指すという。
しかし、義妹が手にしていたのは、よくよく見れば竜胆であった。
成程、確かに竜胆の古名も『思い草』であったな。
 
竜胆・・・ふと、現世の昔の話を思い出した。
若き武将が流刑の地で、一人の娘と秋の野原で出会ったのだという。
娘の持っている花が素朴でありながらも深い紫を湛えて美しかったので、
その者は娘に花の名を尋ねた・・・
娘はその花の名を、『思い草』と答えたのだという。
その娘は、手にしていた竜胆のような強さと美しさを秘めていたという。
 
その娘は、流刑人である若き武将を見張る地元領主の娘・・・いわば武将の敵であった。
・・・武将と娘は、本来であれば決して結ばれることなどない運命であった。
しかし娘はあの花の名のように武将を「思い」、ついにはその者の許へ奔ったのだという。
若き武将もあの花のような娘を「思い」、自らの許に奔った十も離れた娘を妻にしたという。
 
お前も、いずれは・・・
いや、お前は既に・・・
 
―お前も、私を置いて奔るのか・・・?それとも、
―兄様のおっしゃることがよく分からないのですが・・・。
―分からぬならば、それで良い。
―ただ・・・今の私に、 奔る場所などありませぬ。
 ・・・奔る必要があるならば、どうしてここにおりましょう?
 
そう言う義妹の瞳の色は、手にする『思い草』と同じ色を湛えていた。
お前がこれから先、どこへ、誰の許へ奔るかは分からぬ。
ただ、私は・・・私らしくも無く、
・・・『思い草』をどこにも奔らせることなく、永く永く傍で愛でていたい、と考えていた。
 
 
 
源頼朝と北条政子のエピソードより。
このお二人は後々色々とございますが、それはさておき・・・
出会いのシーンはとても印象的です。
竜胆はたしか、源頼朝の紋にもなっていますし、鎌倉市も確か市の紋章に竜胆を使ってますよね(変わっていたらごめんなさい)
 
なお、cpとしてBLEACHキャラを見るのをお好みな方、いらっしゃいましたら・・・
・一護氏、恋次氏、他・・・いずれ朽木家飛び出すんやろな。兄様覚悟しいや~。
・兄様・・・いや、もうアンタのとこに奔り終わってるやん。見た目も大体十くらい離れとるし。
と思って突っ込んで遊んでみてください。

でも、桜吹雪が襲ってきても、責任は負いませぬ(笑)

 

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