杜若
「泥沼からの誓い」
 
 
どうしても、何があろうと、超えたい存在。
いつも俺の目の前に、壁のように立ちはだかるような存在だ。
・・・いや、壁じゃねえ。
研ぎ澄まされた刃の葬列を侍らせて、冷ややかに立っているだけだ。
 
その向こう側に、求めるものがある。
昔その手を離してしまった存在。
深い紫の奥に、閉ざした哀しみの色しか見出せなくなっていた、あいつ。
千の刃に囲われて、逃げることもできやしねぇ。
 
かつて泥沼のような場所で、俺達は誓った。
その誓いを、あいつは守れなかった。
・・・そして俺は、あいつを守れなかった。
 
今の俺には、刃を全てなぎ倒す力までは無いかもしれねぇ。
だが、小さな突破口くらいを切り開く力はあるはずだ。
そのために、俺は強くなったんだからな。
 
俺は逃げやしない。
逃げるのは性に合わねぇ。
千の刃を切り抜けて、あいつの傍までたどり着くまではな。
 
 
 
 
 
何があろうと、俺は、
・・・負けるわけにはいかねえんだよ!!!
 
 
 
花菖蒲は柔らかで優美な感じですが、菖蒲はそのシャープな形から凛とした厳しいイメージがあります。
今回は、恋次氏に語っていただきました。
菖蒲の葉は刃のようにも見えますし、花を守るかのようにも見えますが、
それが恋次氏からすれば、自由に風に揺れて舞う花の動きをさえぎる存在にも見えなくは無いわけで。
ゆーちゅーぶで、斬魄刀オリジナルストーリーの恋次氏と一護氏がシンクロして叫んでいるシーンを見て、
勢いで書き上げました。
 

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