もみの木

『因果応報(オレ様は飾りじゃねぇ!!!)』


・・・冬だ。
12月に入って、街は賑やかなこった。
街に出て周囲を見回せば、何処もかしこも仲の良さげなカップルがいちゃいちゃしてやがる・・・
この一護の親父の開いている病院に面した道路でさえ、だ。
チクショー!!オレ様もあんな風にいちゃいちゃしたいぜ!!

誰と?だって?
そりゃぁ、綺麗なお姉さんとだ、決まってんだろそんなモン!!


あの金髪の死神のお姉さんとか、一護の茶髪の友達とかよォ、『神々の谷間』の持ち主といちゃいちゃ出来たら、

きっと猛烈な鼻血のように、オレ様の頭の綿が全部放出しても悔いはねェな!!!


あとは、ルキア姐さんも捨てがたい、あの姐さんのお御足でなら踏まれても・・・・

・・・って、妄想している場合じゃねえ。
今のオレの状況を考えろ。
なんだって、オレはこんなところにいるんだ???

・・・イテっ、ちくしょう、背中や後ろ頭がちくちくしやがる。


『ねえ遊子、これも飾り付けちゃおっか。』
『えー、でもそれ、お兄ちゃんが大事にしてるぬいぐるみじゃなかったっけ?』
『ただの飾りじゃつまんないじゃん。
コレみたら、お兄ちゃんだけじゃなくて病院に来た人みんなびっくりするぜ?』
『でも怒られないかな・・・?たまにお兄ちゃん、そのぬいぐるみに話しかけたりしてるよ?』
『いーのいーの、ここに出しっぱなしにしているのが悪いんだ!!』
『じゃあ、リボンもつけよっか♪』

『・・・けっこう、可愛いかも。』
『だろ??コレは結構目立つと思うぞ!!・・・ちょっと大き目の松ぼっくりみたいだしな。』
『ライオンの天使さまにも見えるね。リボンしてるから。』

今、オレは、一護の妹達のせいで、クロサキ医院の窓に面したクリスマスツリーに飾られている。
確かによ、オレがこそっと一護の部屋を出たところでコイツらに見つかって、慌ててぬいぐるみ状態になったからよ、
オレにもこうなった原因はある。
けどよォ、
こんな仕打ちは無えだろォォォォォォ!!!!

・・・ただいま~

お!!一護が帰ってきた!!
・・・さあ神様仏様一護様、
この哀れなオレ様を見つけ出して救ってくれよ!!

「ん?・・・」

一護のヤロー、オレを一瞬見て、何事も無く通り過ぎていきやがった。
この薄情者!!このオレ様を見捨てていくのかコラ!!

・・・しばらくしたら、着替えて奴は戻ってきた。

「コン、お前、なにしてんだ?」
「何もどうもこうも、一護!!
テメーの妹たちにツリーに飾り付けられたんだよコノヤロー!!
誰が好き好んでこんなところにいるかってんだ!!」
「・・・へぇ、意外と飾りとしてツリーに似合うじゃねーか。」
「そりゃどうも・・・ってコラ!!助けろ!!」
「勝手に花梨や遊子たちに黙って外したら、怒られるだろ?
・・・大体、コン、テメェがここで飾られてるってことは、勝手に部屋を抜け出したんだろ?
あいつらは、俺の部屋から勝手に物を持ち出して飾り付けるなんて事はしねぇからな。」
「・・・ちっ、ばれたか。
で、一護、その格好・・・この哀れなオレ様を置いてどこか行くのか。」
「・・・ああ、
これから井上やチャドたちとクリスマスプレゼントの買い物に行くんだ。
ルキアや恋次たちも来るらしいからな。」
「何ィィィィィィィィ!!」
「あ、でも、コン、テメェは行かなくて正解かもな。」


何でだコラ!!ルキア姐さんや綺麗なお姉さんが揃うっていうのに、

こんなに美味しいシチュエーションは早々無いだろぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「・・・ルキアが来るってことは、お目付け役のあの頭の固てェ兄貴も来るんだよ・・・
・・・はぁ・・・
恋次も結構・・・気をすり減らしていそうな感じ、だろうな。」
「・・・うぅぅ・・・」

じゃ、行ってくるからよ・・・と言って、奴はオレをツリーからはずすことも無く行っちまった。
あの馬鹿みたいに頭でっかちな姐さんの兄貴はともかく、姐さん来るんだろ?????
姐さんが来るってのに、このオレ様がお迎えに上がれないなんて・・・

チックショぉぉぉぉぉ!!!
この世には神も仏も無いのかよぉぉぉぉぉぉ!!!

・・・はぁ、部屋から出ずにおとなしくしてれば良かった。

痛っ・・・また背中にちくちくしやがる。本物の木に括りつけやがったな。
・・・コレが、『因果応報』ってやつか・・・


(一護が帰ってくる夜まで、オレ様は罰ゲームのようにさらし者になっていた・・・
姐さんたちは此処に立ち寄ることもなく、早々に帰って行ったという。
・・・嗚呼、姐さ~ん!!)

 

・・・コンなのですみません。
ギャグやお笑いを書くの、苦手みたいですね、私・・・。
でも、シリアスに書くと、どうも説教くさくなる。
やはり、文才はないな・・・うん。はい。すみません・・・。
 

 

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