『冬の向こうには・・・』
・・・思えば、
遠い記憶の彼方の、幼い頃。
双殛の丘の下で互いを鍛えあい、競い合った日々。
死神となったあの時。
護廷十三隊の隊長として、肩を並べるようになったとき。
そして・・・
アタシがあの世界を追われたとき。
まさか、とは思いましたが・・・
いつも、一緒でしたね・・・夜一サン。
アナタまで、私に押し付けられた咎を負う必要は無かったでしょうに。
ましてやアナタは、四大貴族の当主。四楓院家の姫。
あの世界を背負って立つ立場だというのに。
・・・まァ、アナタもあの世界に見切りを付けた、ということでしょうかね。
置いてきたものは、色々と大きすぎたようですが。
アタシは、追われる立場となっても、自分のしたことに後悔はしていませんよ。
全てはアタシ自身が決めて、行ったこと。
恐らくアナタも、そうなんでしょうけれどね。
でなければ、アタシの逃走を援助したとして、アナタまで進んで追放などされないでしょう?
アタシは、真実を知り、なおも共に在ってくれる友がたった一人でもいてくれれば、それで構いませんよ。
何も知らずに盲目的に、私に付き従うような存在などに価値を見出しませんから。
アタシらの周りは、長く寒い、暗い冬が続くかと思いますけれど、
それでも、その先にはきっと春が待っていますよ。
のんびりじっくり、根を張って、芽吹く刻を待ちましょうか。
・・・明けない冬は無いんですから。
まァ、お互い、とても白くて清らな花のような存在とは、とても言えませんがね。
・・・
・・・おや?ついに来ましたか?
橙色の頭の春の使者、ですかねぇ?
あの少年のこと、どう思います?夜一サン・・・
『待雪草』 ・・・ スノードロップの和名。花言葉は『希望、友情、まさかの時の友』
浦原さんが追放されて現世にやってきた直後ぐらいを妄想していじってみました。
そして110年後、オレンジ頭の一護氏が現れるんですよね。
・・・で、あの戦いが始まる、と。
でも、結構過酷な経験してきてるからこそ、一護氏に「死にに行く理由を他人に求めるな」と凄むことが出来たんでしょうし、それなりの説得力と迫力もあったんだろうな、とか思ったり。
ただの胡散臭い『ハンサムエロ店主』では無いですよね・・・夜一さん並に中身はかなり詰まった人だと思ってます。