七竃

『灰燼に帰すること無き・・・』

 

『 ― 嘘。』

 

今まで貴様から、

どれだけの不安を与えられ、
どれだけの畏怖を覚えさせられ、
どれだけの絶望感を突きつけられただろうか。

この目が赤く腫れるまでに。
貴様に裏切られることへの恐怖に、そして己の無力さに泣きはらすほどに。

貴様のその全てが純粋な思いからだと?
ふざけるな。


そのたびに私は、

幾度と無く貴様を警戒しながら、
幾度と無く無様な姿を晒してでも、
幾度と無く己を奮い立たせてきた。

この身を赤く染めてでも。
貴様の色に染まらぬように、付け入る隙など与えぬように。

私のその全ては貴様に打ち勝つため。
そして己の弱さにも。


 


なのに、何故・・・

私は、これから一体何処に向ければ良いのだ?

幾度と無く泣きはらしてでも貴様を見つめてきた、この赤い双眸を、
幾度と無く打ちひしがれても立ち上がっては此の四肢で構え、貴様に向ける切っ先を、


そして・・・
何度燃え尽きたかのように見えても燃え尽きることの無い、

貴様への、この想いを。

 


こちらが七竈。とても丈夫な木で、秋の紅葉も美しいのですが、初夏の白花も可愛いんですよ?

・・・ルキアの抱く『想い』に、恋愛感情を含めても、また含めなくてもOKなように書いた(つもりなの)です。
(複雑に入り組んだ「情念どろどろ」系でも、さくっと「ギン氏は自分の敵」系でも。)

何故か拙宅では、所謂ギンルキ的要素のあるものは・・・シリアスになるか、もしくは超ギャグになるかの2通りでして、紅葉をのんびり楽しむような『ほのぼの』系にはなってくれないようです。何故???

 

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