『こまむら日記』 ~幼稚園での日々を綴る~


◎月△日  天気 晴れ時々曇り

明日から新任の先生が急遽来て下さることになった。
本来は来年の4月からとのことだったが、何せ新しく新設された『うぇこむんど幼稚園』からベテラン先生を一人派遣して欲しいとの緊急要請が来たのだから仕方が無い。
あちらの事情に詳しいハリー・ベル先生があちらに向かってくださった。
子どもたち一人ひとりをそれは大事にされていた、鑑のような先生であったので、正直異動されるのは大変残念なことであった。
しかし立ち止まっている時間は無い。
新天地でのハリー・ベル先生のご活躍を期待しつつ、新たに来られる先生を迎えて我々も頑張らねばならぬだろう。


◎月■日  天気 曇り一時雪

本日付で「朽木ルキア」先生がお越し下さった。
先生はこの「せいれいてい幼稚園」の出身で、浮竹先生が担任だったそうだ。
そして、浮竹先生と・・・当時体育の先生をされていた志波先生にとってもお世話になり、幼稚園の先生になりたいと思ってくれたのだという。
思えばワシも、当時の園長であった現『学校法人ソウル・ソサエティ学園』理事長でいらっしゃる山本先生にお世話になり、先生と一緒に働きたい、先生のように子供達と向き合ってみたい、そのようなことを考えて幼稚園教諭という道を選んだのだったな。
やはり新米先生ということもあり、中々慣れるまでは大変だと思うが・・・どうか初心を忘れることなく、一緒に頑張って欲しいものだ。
勿論ワシも、『初心忘れるべからず』。


◎月×日  天気 曇り

新人先生の指導も兼ねて、朽木先生には大ベテランである浮竹先生クラスの副担任として付いてもらっているが、少々不安でもある。
朽木先生の能力の問題ではなく、浮竹先生のお体のことだ。
朽木先生曰く、彼女が此処に園児として通っていた頃から、浮竹先生はよく倒れたり、血を吐いたりしていたそうで・・・医務室の卯ノ花先生をよく呼びにいっていたのだ、とのこと。
浮竹先生は子ども達への教育に対し情熱を持ち、またその温和さから子供達からも大層慕われている。
(現に、朽木先生のように彼を目指して先生になったという子は他にもいる。小椿先生や虎徹(清)先生もそうだったな。今では立派な先生として、他の組を任せられるほどになってくれている。)
だがこのまま体調の思わしくない状態が続くようであれば・・・少し現場から離れていただいて療養を勧めることも考えなくてはならないだろう。
そうなれば朽木先生の指導役をどの先生にお願いするか・・・悩ましいのだ。
とはいえ、悩んでいても仕方が無い、まずは様子をしっかりと見ながら考えるとしよう。

・・・しかし、もっと憂慮すべき問題は・・・彼女ののことだろうか。
朽木先生の弟である白哉くん、浮竹先生が一番手馴れており心を開いてもらっているから、ということで浮竹先生のクラスになっているが、そこにお姉さんである朽木先生がいるのである。
話に依れば白哉くんはかなりのお姉さんっ子で、幼稚園の最初の登校の時も・・・朽木先生と離れるのが嫌で、執事の清家さんに連れられて大泣きしながらやってきたのだったな。
そんな白哉くんだ。ご機嫌は良くなるかもしれないが・・・益々お姉さんにべったりになるのではないか?
彼の自立の阻害になる可能性もある。
場合によっては、朽木先生に別のクラス担任をしていただく可能性があることを伝えねばならぬな。

 

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