睦月の二十二日、ルキアの職務復帰の日・・・当日。
朝からルキアも「迷惑をかけた分、頑張らねば」と意気込んでいる。
正直、祝いのために早退させたいくらいだが、このような生き生きとしたルキアを久々に見れば、
流石に理由も無く、浮竹に「勤務を変えろ、休ませる」とは言えまい。
・・・私がこの日の朝、唯一出来たのは、
夜間の任務から戻った私と入れ違いに出勤するこの娘に、
 
 
「兄様、行って参ります。」
「うむ、あまり無理をせず、よく勤めを果たすように。
・・・他の者に迷惑を掛けるような真似はせぬよう。」
 
 
・・・と、声を掛けるだけであった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
日は沈み、辺りは漆黒の闇が支配し始める。
しかし、早朝からの勤務であったルキアは一向に戻らない。
病の床に臥せっているときには選ぶ余裕すら欠いていたが、今日ようやく用意することができた
祝いの品を、私は引き出しから出してはしまい・・・を繰り返していた。
書物でも読もうかとしても頭に入らず、心を落ち着けようと書をしたためようとも・・・落ち着かぬ。
 
次第に、どこか、胸の内に嫌な予感が沸きあがるのを感じる。
 
 
やがて、玄関が騒がしくなった。
清家が私に知らせに来た。
十三番隊と四番隊がルキアを連れて帰ってきたのだという。
四番隊が一緒なのは、恐らく先日の病のこともあるのだろう。
・・・意気込みが空回って無理をしたのだろうか。
 
 
 

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